任意継続と国保はどっちが安い?退職後の健康保険を、公式の決まりで比べる手順(期限は20日と14日)
辞めると決めた。でも、辞めたあとの健康保険がよく分からない。任意継続と国保はどっちが安いのか、調べるほど混乱する。
仕事がしんどいときに、こういう手続きまで調べるのは正直きついですよね。
先に結論を書きます。どっちが安いかは人によって違うので、自分の額を2つ出して比べるしかありません。ただ、比べ方と期限は決まっています。任意継続は退職日の翌日から20日以内、国保は14日以内です。
目次
はじめに:この記事は、調べたことのまとめです
私は大手の会社でSEを3年やって、コンサルに転職しました。保険の専門家ではありません。退職後の健康保険について、自分の体験として書けることも持っていません。
なので、この記事に体験談はありません。協会けんぽと厚生労働省のページを2026年10月2日に開いて、書いてあることだけを並べました。協会けんぽ以外の健康保険組合に入っている人は、決まりが違うことがあります。自分の組合で確かめてください。
【結論】選べるのは3つ。期限が短いほうから動く
協会けんぽの案内では、退職後は次のどれかに入ることになっています。すぐ次の会社の健康保険に入る人は別です。
| 任意継続 | 国民健康保険 | 家族の健康保険(扶養) | |
|---|---|---|---|
| 届け出る先 | 住所地を管轄する協会けんぽ支部 | 住んでいる市区町村の窓口 | 家族の勤め先 |
| 期限 | 退職日の翌日から20日以内 | 14日以内 | 家族の勤め先に確かめる |
| 保険料の決まり方 | 退職時の標準報酬月額 × 都道府県の保険料率 | 世帯ごとに、市区町村の決まりで計算 | 収入の条件を満たせば入れる |
| 入れる期間 | 2年間 | 決まった年数はない | 条件を満たす間 |
任意継続は「20日」を過ぎると入れない
条件は2つ。退職日までに健康保険の加入期間が続けて2か月以上あること。そして、退職日の翌日から20日以内に申出書を出すこと。20日目が土日・祝日なら翌営業日までです。
郵送の場合は、書類が20日以内に届いていないといけません。出した日ではなく、届いた日です。協会けんぽは電子申請も案内しています。
迷っている間に20日が過ぎると、任意継続という選択肢そのものが消えてしまうので、国保と比べるつもりの人も、先に額を調べておきたいのは任意継続のほうです。
国保は「14日以内」に市区町村へ
厚生労働省のページには、国保に入るとき・やめるときは14日以内に、住んでいる市町村の窓口へ書類を出すと書いてあります。必要な書類は市区町村ごとに違うので、役所のサイトで確かめてください。
扶養は、まず収入の条件を見る
家族の健康保険に扶養として入る道もあります。協会けんぽの基準では、年収130万円未満で、同居なら家族(被保険者)の年収の半分未満であること。60歳以上や障害のある人は180万円未満、19歳以上23歳未満は150万円未満です。
失業手当をもらう場合の扱いなど、細かいところは家族の加入先によって違うかもしれません。ここは私には言い切れないので、家族の勤め先に聞くのが早いです。
どっちが安いかは、自分の数字を2つ出して比べる
任意継続の保険料:会社が払っていた分も自分で払う
在職中は、保険料を会社と自分で半分ずつ払っています。任意継続では全額が自分の負担です。
計算は「退職時の標準報酬月額 × 住んでいる都道府県の保険料率」。40歳から64歳の人は介護保険料率が加わります。標準報酬月額というのは、給料を区切りのいい等級に当てはめた金額のことです。
ここで1つ、知っておくと得な決まりがあります。標準報酬月額には上限があって、32万円を超えていた人は32万円で計算されます(2025年4月分から。それまでは30万円)。給料が高めだった人は、この上限のおかげで思ったより低い額になることがあります。
仮の計算をしてみます。標準報酬月額が30万円、保険料率が仮に10%だとすると、月3万円。料率は都道府県ごとに違うので、これは計算の形を見せるための例です。本当の額は、協会けんぽの「任意継続被保険者の方の健康保険料額」の表で、自分の都道府県と標準報酬月額の行を見てください。
ほかに確かめた決まりを並べます。
- 保険料は原則2年間変わらない(保険料率や上限が変わったときなどは変わる)
- 日割りはなく、加入した月の分から必要
- 納付期限は毎月10日。期限までに納めないと資格を失う
- 途中でやめたいときは、申し出ればやめられる
- 傷病手当金と出産手当金は、任意継続の給付には含まれない
国保の保険料:市区町村ごとに違う
国保の保険料(保険税と呼ぶ市区町村もあります)は、世帯単位で計算されます。計算の仕方は市区町村の条例で決まっていて、住む場所で変わります。だから、全国共通の金額は書けません。残念ですが。
確かめ方は2つ。市区町村のサイトにある試算のページを使うか、窓口や電話で「前の年の収入がこれくらいで、退職して国保に入ると月いくらですか」と聞くかです。私なら電話します。早いので。
もう1つ。倒産・解雇・雇い止めなどで離職した人には、国保の保険料が軽くなる仕組みがあります。厚生労働省の資料では、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者について、前年の給与所得を100分の30として計算する、とされています。期間は失業したときから翌年度の末まで。私が確かめたのは制度ができたときの資料なので、今の手続きは市区町村の窓口で聞いてください。自分の都合で辞めた場合に当てはまるかも、そこで分かります。
保険料だけで決めないほうがいい人
- 2年目の収入が大きく下がりそうな人。任意継続の保険料は原則2年間同じです。国保の額が2年目にどうなるかは、1年目の分と一緒に市区町村へ聞いておくと比べやすくなります
- 扶養する家族がいる人。任意継続は、条件を満たす家族を扶養に入れる手続きがあります。国保は世帯単位の計算です。家族の人数で差が出るので、人数も伝えて試算してもらってください
- すぐ次の会社に入る人。日を空けずに新しい勤務先の健康保険に入るなら、この比較自体が要りません
今日のうちにやっておけること
- 給与明細か会社の担当に聞いて、自分の標準報酬月額を確かめる
- 協会けんぽの保険料額表で、任意継続の月額を出す
- 市区町村のサイトで国保の試算ページを探す。なければ窓口の電話番号をメモする
- 退職日の翌日から数えて20日目をカレンダーに書く
退職後の健康保険で、よく聞かれること
任意継続と国保、結局どっちが安い?
人によります。任意継続は退職時の給料で決まり、国保は世帯の所得と住む場所で決まるからです。両方の額を出して比べるのが、いちばん確かです。
任意継続は途中でやめられる?
協会けんぽのページでは、やめたいと申し出たときに資格を失う、とされています。ほかに、就職して別の健康保険に入ったときや、保険料を期限までに納めなかったときも終わります。
退職してから20日を過ぎたら、任意継続には入れない?
申出の期限は退職日の翌日から20日以内です。過ぎた場合は、国保か家族の扶養を考えることになります。事情があるときは、協会けんぽの支部に直接聞いてみてください。
私ならこうする
退職日が決まった時点で、まず20日目をカレンダーに入れます。次に、任意継続の額を表で出し、市区町村に電話して国保の額を聞く。数字が2つ並べば、あとは安いほうを選ぶだけです。調べ始める前のもやもやは、だいたい「自分の額を知らない」ことから来ていると思います。
お金に関わる判断なので、最後は協会けんぽの支部と市区町村の窓口で確かめてください。辞めること自体で迷っているなら「仕事を辞めたいけど辞められないとき」も置いておきます。
あなたの標準報酬月額、今すぐ言えますか。
出典: