転職すると住民税はどうなる?退職の月で払い方が3通りに分かれるので、総務省と自治体の公式ページを読んで整理しました
今の仕事がしんどい。辞めたい。でも、辞めたあとのお金のことを考えると、手が止まる。
その中でも分かりにくいのが住民税だと思います。「退職したら一括で引かれるらしい」と聞いて、不安になって「転職 住民税 どうなる」と検索した人もいると思います。
先に結論です。住民税の払い方は、退職する月で3通りに分かれます。そして、転職先で給与からの天引きを続けるかどうかは、会社どうしの届け出で決まります。 仕組みが分かれば、こわい話ではないです。
目次
最初に、正直に書いておきます
私はSEからコンサルに転職しています。ただ、この記事は体験談ではありません。
今回は、総務省と、府・区・市の公式ページを今日読んで、整理しました(2026年10月2日に確認)。読んで「そういう仕組みだったのか」と思ったところを、順番に書きます。
退職の月で、払い方は3通り【結論】
会社員の住民税は、6月から翌年5月までの12回に分けて、毎月の給与から引かれています。これを「特別徴収」と言います。退職すると、残りの月の分をどうするかが問題になります。
大阪府と豊島区の案内を並べると、こうなります。
| 退職する時期 | 残りの住民税の扱い |
|---|---|
| 6月1日〜12月31日 | 自分で納める形(普通徴収)に切り替わる。本人が申し出るか了解すれば、最後の給与や退職金から一括で引いてもらうこともできる |
| 1月1日〜4月30日 | 本人の申し出がなくても、5月31日までに支払われる給与や退職金から一括で引かれる |
| 5月 | 5月分はいつもどおり引かれて、その年度は終わり。6月からの新しい年度の分が、自分で納める形になる |
6〜12月に辞めると、納付書が家に届く
この時期に辞めると、残りは「普通徴収」に切り替わります。市区町村から納付書が届いて、自分で納める形です。
普通徴収の納期は、6月末・8月末・10月末・翌年1月末の年4回。毎月ではなくなります。
武蔵野市の例が分かりやすかったです。8月に退職して、翌月10日までに会社から届け出があった場合、9月分から翌年5月分までの残りを、10月末と1月末の2回に分けて納める。届け出が9月後半以降になると、1月末にまとめて1回、とありました。
1回あたりの金額は、天引きのころより大きくなります。大阪府の例では、年24万円の人なら、天引きは2万円が12回、普通徴収は6万円が4回です。合計は同じ。でも、通帳から出ていく感じはだいぶ違いますよね。
1〜4月に辞めると、最後の給与から一括で引かれる
「退職したら一括で引かれる」という話は、ここです。
1月1日から4月30日までに退職すると、5月分までの残りが、最後の給与や退職金からまとめて引かれます。本人の申し出がなくても、です。豊島区の案内には、この時期は原則として普通徴収に切り替えられない、と書かれていました。
たとえば毎月2万円引かれている人が2月の給与を最後に辞めるなら、2月分から5月分までの4か月分で8万円、という計算になります(金額は例です)。
税金が増えるわけではありません。先にまとめて払うだけです。とはいえ、最後の手取りが思ったより少ない、ということは起こります。知らないと驚くと思うので、ここは先に計算しておきたいところです。
なお、一括で引く額が退職金などの金額を超える場合はこの限りではない、と大阪府の案内にあります。そのときどうなるかは、会社と市区町村に確かめてください。
5月に辞めると、切れ目がきれい
5月は、12回ある天引きの最後の月です。なので、残りがありません。6月から始まる新しい年度の分が、普通徴収になります。
転職先で、天引きを続けることもできる
間をあけずに転職するなら、転職先の給与から引き続き天引きしてもらう道があります。
意外でした。自分で役所に行く手続きではないんです。武蔵野市の案内では、退職した会社か転職先の会社が、「給与所得者異動届出書」という書類を市に出す、とされています。自分でやることは、会社に「続けたいです」と伝えて、手続きがされたかを確かめることです。
注意点が2つありました。
- 届け出の期限は、退職などの異動があった月の翌月10日まで(大阪府・豊島区)。退職が決まったら、早めに両方の会社へ伝えたほうがよさそうです
- 退職から2か月以上たっても通知が届かないときは、会社の手続きがされていないか、遅れている可能性がある(武蔵野市)。そのときは会社に聞く
いったん普通徴収になったあとでも、転職先で天引きに戻せます。届いた納付書を転職先の人事や経理に持っていく。ただし、戻せるのは納期限が来ていない分だけです。
辞めた翌年にも、住民税は来る
もうひとつ、見落としやすい点です。
総務省の説明では、住民税の所得割は、前の年の1月1日から12月31日までの所得で計算されます。税率は所得に対して10%。これとは別に、均等割が4,000円、あわせて森林環境税が1,000円かかります(自治体によって少し違うことがあります)。
つまり、今年払っている住民税は、去年の所得に対するものです。辞めて収入が減っても、翌年の6月には、働いていた年の所得をもとにした住民税が来ます。
転職先が決まっているなら、あまり心配はいらないと思います。少し休んでから次を探すつもりの人は、この分を先に取り分けておくほうが安心です。
引っ越す人は、もう1つ。住民税は、その年の1月1日に住所があった市区町村に納めます。年の途中で引っ越しても、その年度の分は前の市区町村あてです。
この記事では答えられないこと
- あなたの住民税がいくらになるか
- 納めるのが難しいときに、どんな相談ができるか
- 退職金そのものにかかる税金のこと(今回は調べていません)
税金の個別の相談には、私は答えられません。お住まいの市区町村で、住民税を担当している窓口がいちばん確かです。扱いの細かいところは自治体で違うことがあるので、必ず自分の市区町村のページも見てください。
今日からできること
- 給与明細を開いて、住民税が毎月いくら引かれているかを見る
- 辞めたい月を仮に決めて、上の表のどれに当たるかを確かめる。1〜4月なら、5月分までの残りを掛け算しておく
- 自分の市区町村の名前と「住民税 退職」で検索して、公式ページを1つ開く
住民税について、よく検索されている質問
退職すると、住民税は必ず一括で引かれる?
必ずではありません。1月から4月の退職は、原則として一括です。6月から12月の退職は普通徴収への切り替えで、一括は本人が申し出るか了解した場合です。
転職先でも、住民税の天引きは続けられる?
続けられます。退職した会社か転職先の会社が、市区町村に届け出をします。自分で役所に出す書類ではないので、両方の会社に希望を伝えて、手続きがされたかを確かめてください。
転職して給料が下がったら、住民税も下がる?
すぐには下がりません。住民税は前の年の所得で計算されるからです。下がった給料が反映されるのは、次の年度の分からになります。
私ならこうする
私なら、辞めたい月を決める前に、給与明細の住民税の欄を見ます。で、1〜4月に辞めるなら、最後の給与からいくら引かれるかを先に計算する。6〜12月なら、納付書で払うぶんを別に取っておく。間をあけずに移るなら、両方の会社に「天引きを続けたい」と伝えます。
住民税だけで退職の月を決めるのは、おすすめしません。払う合計は変わらないので。それより、最後の手取りと、翌年に来る分を先に知っておく。それで不安は1つ減ると思います。
お金に関わる話なので、最後は市区町村の窓口や公式ページで確かめてください。
あなたが辞めたいと思っている月は、表の3つのどれに当たりますか。
出典(すべて2026年10月2日に確認):