第二新卒のSEは転職できる?SEを3年で辞めた私が「正直、書けないままでも移れた」話と、いつまでが第二新卒かの公式の目安
入って1年か2年。もう辞めたい。でも「こんなに早く辞めたら、どこも取ってくれないんじゃないか」で手が止まる。
止まらなくて大丈夫です。第二新卒の目安は「卒業後おおむね3年以内」。そしてこの枠で見られるのは、経験よりも意欲のほうでした。
私はSEを3年やって、コードが書けないままコンサルに移っています。第二新卒のSEの転職を、厚生労働省の資料と私の場合で書きます。
目次
【結論】第二新卒に決まった線はない。目安は「卒業後おおむね3年」
定義は会社ごと。無ければ「おおむね3年以内」
「第二新卒は何年目まで?」を調べると、サイトによって答えが少しずつ違います。それもそのはずで、法律で決めた定義を、私は見つけられませんでした。
厚生労働省の審議会の資料に、採用の調査で使われた決め方が載っています。
それぞれの企業の中で第二新卒の定義がある場合にはその定義によるものとし、特に定義がない場合は、学校(高校、専門学校、短大、高専、大学、大学院)卒業後、おおむね3年以内の者とした
会社に定義があればそれが優先。無ければ、卒業後おおむね3年以内。これが公的な資料で確かめられる目安です。
「おおむね」が付いています。3年を1日過ぎたら終わり、という線ではないんですよね。
国の指針は「卒業後3年は新卒枠で応募できるように」
もうひとつ、国が会社に求めていることがあります。若者の雇用についての指針で、厚生労働省のリーフレットにはこう書いてあります。
- 既卒者が卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること
- できる限り上限年齢を設けないように努めること
「努めること」なので、義務ではありません。それに、これは新卒枠の話です。一度就職した人をこの枠で受け付けるかどうかは、会社によります。気になる会社があるなら、募集要項を読むのが早いです。
第二新卒の枠で見られるのは、経験より意欲
ここがいちばん伝えたいところです。同じ資料に、採用で重視する項目を枠ごとに聞いた結果があります(3つまで選ぶ形式)。
| 重視する項目 | 新卒枠 | 第二新卒枠 | 中途枠 |
|---|---|---|---|
| 熱意・意欲 | 73.7% | 60.5% | 51.5% |
| コミュニケーション力 | 56.6% | 47.7% | 36.5% |
| 実務経験 | 0.8% | 9.6% | 63.5% |
中途の枠では、実務経験を重視する会社が63.5%。第二新卒の枠だと9.6%です。
「1〜2年では何も身についていない」と思っている人ほど、この差は大きいはず。経験が浅いことは、第二新卒の枠ではそこまで見られていません。
ただし、もとは2008年の調査です。古い。今も同じ割合なのかは、私には分かりません。向きを知るための数字として読んでください。
給料は下がる?20〜24歳は、上がった人が半分
早く辞めると給料が下がりそう。これも手が止まる理由です。
厚生労働省の雇用動向調査(令和6年)に、転職した人の給料が前の職場と比べてどう変わったかが、年齢別に出ています。
- 20〜24歳:上がった50.5%、変わらない31.5%、下がった16.8%
- 全年齢:上がった40.5%、変わらない28.4%、下がった29.4%
20代前半は、上がった人がちょうど半分。下がった人の割合は、全年齢の6割ほどしかありません。
注意が2つあります。これは全部の職種の数字で、SEだけのものではないこと。それと、大卒の3年目は25歳前後なので、25〜29歳の行(上がった46.3%、下がった29.2%)に入る人もいること。年齢ごとの数字は「転職で年収は上がる?」に表でまとめました。
私の場合:3年やって、書けないまま移った
私は文系で、ITの知識ゼロで大手の会社にSEとして入りました。
3年やって、コードはなんとなく読めるようになった。でも自分では書けません。一人ではどうにもできない。そのうち、エラーやコードを見ると拒絶反応が出るようになって、辞めると決めました。
3年なので、「おおむね3年以内」のちょうど境目あたりです。
移った先はコンサルでした。働き方も能力もハードな印象があって、不安でした。それでも、転職活動そのものは大変ではなかったんです。エンジニアの経験がある人を、コンサルの会社はすごく募集している。これは私の実感で、統計で確かめた話ではありません。
書けないまま辞めた3年でも、残ったものはありました。ITのプロジェクトに入ると、エンジニアの人たちの会話が少し分かる。業務や仕様をのみこむのも早い。
もう一度やるなら、できなかったことの説明より先に、この「残ったもの」を3つ言えるようにしてから動きます。上の表のとおり、見られるのは意欲のほうなので。
第二新卒でも、急がなくていい人
- しんどいのが仕事の中身ではなく、今の現場や残業の人。異動や現場替えで消えるなら、そっちが先です
- 次に何をしたいかが1行も書けない人。枠があっても、行き先が無いと選べません
- 「第二新卒のうちに」と期限だけで焦っている人。線は会社ごとに違います。年数だけを理由に急ぐ必要はないです
逆に、仕事の中身そのものが合わないと分かっているなら、年数を待つ意味はあまりないと思っています。分け方は「SEに向いてないと思ったときの3つの分け方」に書きました。
今日やるなら、この3つ
- 気になる会社を1社選んで、募集要項から「第二新卒」「既卒」「卒業後◯年以内」の文字を探す
- 入社してから今日までに、分かるようになったことを3つ書く。小さくていいです
- 雇用動向調査の表6で、自分の年齢の行を見る。出典のPDFの3ページ目にあります
第二新卒のSE転職で、よくある質問
第二新卒はいつまで?何歳まで?
公的な資料で確かめられる目安は「卒業後おおむね3年以内」です。年齢で決めた線は、その資料にはありません。会社が自分で定義を持っていれば、そちらが優先されます。
SEを2年目で辞めるのは早い?
珍しくはないです。大卒で就職した人のうち、1年目に辞めた人は12.1%います。2年目は11.9%でした(厚生労働省、令和4年3月卒)。合わせると、2年目までにおよそ4人に1人が辞めています。3年目の話は「SE3年目で辞めたい」に書きました。
第二新卒なら、SE以外の仕事にも移れる?
私はSEからコンサルに移れました。ITのプロジェクトに入ったので、SEの経験がそのまま使えた形です。ITとまったく関係のない仕事に移る場合は、経験がないので何とも言えません。
私ならこうする
入社1〜2年目に戻れるなら、私は「何年目まで大丈夫か」を調べるのをやめます。調べても、答えは会社ごとだからです。
かわりに、受けたい会社の募集要項を3社ぶん読みます。第二新卒をどう書いているか、何を求めているか。そこに自分の1〜2年で言えることが1つでもあれば、動けます。
退職の時期やお金の判断は、会社の規則や公式の案内でも確かめてください。
あなたが止まっているのは、年数ですか。それとも、行き先ですか。
出典:
- 厚生労働省 若年者雇用を取り巻く現状(審議会資料)(第二新卒者の定義と、採用選考で重視する項目。もとの調査は労働政策研究・研修機構「企業における若年層の募集・採用等に関する実態調査」2008年。2026年10月5日に確認)
- 厚生労働省 卒業後3年以内の既卒者は、「新卒枠」での応募受付を!(リーフレット)(2026年10月5日に確認)
- 厚生労働省 令和6年雇用動向調査結果の概要3転職入職者の状況(表6。2026年10月5日に確認)
- 厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します(年次別の数字は別紙3)