SE3年目で辞めたい。3年で辞めた私が「正直、書けないままだった」話と、3年以内に辞める人の公式の数字
3年目なのに、まだ一人で仕上げられない。後から入った人のほうが、もう分かっていそうに見える。
SE 3年目で辞めたいと思うのは、たぶんこの「3年もやったのに」がいちばん重いんですよね。
私はSEを3年やって、辞めました。先に言うと、3年で辞める人は珍しくないです。ただ、決め手にするのは年数じゃなくて「何ができないままか」のほう。これが私の考えです。
目次
はじめに
私は文系で、大手の会社にSEとして入りました。入ったとき、ITの知識はゼロ。SEを3年やって、コンサルに転職しています。
辞めた側の人間が書いているので、「続けろ」とは言いません。かといって「すぐ辞めよう」とも言いません。数字と、私の3年をそのまま置いておきます。
【結論】3年目がしんどいのは「もう一人でできるはず」の時期だから
公式の説明でも、3年目は「一人で設計を書ける」ころ
厚生労働省の職業情報サイトjob tagに、システムエンジニア(受託開発)の育ち方が書いてあります。
最初は与えられた開発の一部を担当し、一般的には3年目頃には一人で詳細設計を書けるようになる。
詳細設計は、プログラムの中身の処理を細かく決めた設計書のことです。5年目頃には開発全体ができるようになる、とも書いてあります。
つまり3年目は、周りからも自分からも「そろそろ一人で」と見られる年。できていないと、1年目より目立ちます。しんどくなるのは当たり前です。
私は3年たっても、一人では書けなかった
設計書の話とは少しずれますが、私の3年はこうでした。
コードは、なんとなく読めるようにはなったんです。でも自分では書けない。一人でどうにかすることが、最後までできませんでした。「そろそろ一人で」の年に、です。
3年以内に辞める大卒は、およそ3人に1人
じゃあ3年で辞めるのは珍しいのか。厚生労働省が毎年出している数字を見ました(令和4年3月に大学を出て就職した人。2025年10月24日公表)。
| 大卒の就職後3年以内の離職率 | 割合 |
|---|---|
| 全体 | 33.8% |
| 情報通信業 | 27.2% |
| 従業員1,000人以上の事業所 | 27.0% |
全体で3人に1人。ITの会社が入る情報通信業は27.2%で、全体より少し低めでした。ITは辞める人が多い、という印象ほどではないです。
内訳も出ています。1年目に辞めた人が12.1%、2年目が11.9%、3年目が9.9%。辞める人が3年目にだけ多いわけでもありません。
ひとつ注意。情報通信業にはSE以外の仕事も入っています。SEだけの数字ではないです。
向いていないと思ったのは、拒絶反応が出たとき
数字より、ここが本題です。
3年やるうちに、エラーやコードを見ると拒絶反応が出るようになっていました。分からないから調べる、ではなくて、見ること自体がいやになる。
書けない。一人ではどうにもできない。そこに拒絶反応が重なった。これが、辞めると決めたきっかけです。
なので、3年目で辞めたい人に聞きたいのはこれです。できないことが悔しいのか、見るのもいやなのか。前の方なら、まだ伸びる途中かもしれません。後の方なら、私と同じ場所にいます。
どっちか分からない日もあります。それも普通です。
それでも、3年は無駄にならなかった
コンサルで、SEの勘所が役に立った
辞めたあと、コンサルに移りました。ITのプロジェクトに入ったとき、エンジニアとしての勘所が役に立ったんです。エンジニアの人たちの会話が少し分かる。業務や仕様の理解も早くなりました。
書けないまま辞めた3年でも、こうなります。
3年やると、少しずつ分かってくる
矛盾して聞こえるかもしれませんが、これも本当です。細かいところと全体の両方から見て、ロジカルに考える癖をつければ、3年くらいで少しずつ分かるようになってきます。
1年目の自分には「考えすぎないで、もう少し楽観的に分析していい」と言いたい。3年で辞めた私が言うのも変ですけどね。なんとなくでも読めるところまで行ったから、次の場所で使えるものが残った。私はそう見ています。
残ったほうがいい人もいる
辞めなくていいと思うのは、こんな人です。
- しんどいのが仕事の中身より、残業や現場の雰囲気の人。部署や現場が変われば消えるかもしれません
- できないことが悔しくて、調べるのは苦じゃない人
- 次に何をしたいかが、まだ1行も書けない人。先に行き先です
しんどさが仕事のせいか会社のせいかの分け方は、「SEに向いてないと思ったときの3つの分け方」に書きました。
3年目の転職で、よく聞かれそうなこと
SE3年目で転職するのは早い?
早くはないです。上の表のとおり、大卒の3人に1人は3年以内に辞めています。ただ「早くない」と「うまくいく」は別の話。行き先が決まっていないまま辞めると、あとで焦ります。
とりあえず3年は続けたほうがいい?
「3年」という数字に根拠があるのかは、私には分かりません。私はちょうど3年でしたが、3年たったから辞めたのではなく、拒絶反応が出たから辞めました。年数より、自分の状態で決めていいはずです。
3年で辞めたら、SEの経験は使えない?
私の場合は使えました。行き先がコンサルで、ITのプロジェクトに入ったからです。ITとまったく関係のない仕事に移った場合にどうなるかは、経験がないので言えません。年収がどう動くかは「転職で年収は上がる?」に公式の数字をまとめました。
今日やるなら、この3つ
- 今週いちばんいやだった作業を1つ書く。「できなくて悔しい」か「見るのもいや」か、横に書き足す
- job tagのシステムエンジニアのページで、3年目・5年目の説明を読んでみる。自分がどこにいるかの目安になります
- 眠れない、朝起きられないが続いているなら、先に休む。厚生労働省の「こころの耳」に相談窓口がまとまっています
私ならこうする
もう一度3年目に戻るなら、辞める前に行き先を1つ書きます。「コンサル」でも「社内SE」でも、1語でいい。書けたら、その仕事で今の3年の何が使えるかを3つ並べます。私の場合は、勘所・会話・仕様の理解でした。
出てこないなら、もう少しだけ残って材料を集めます。出てくるなら、動きます。
退職の時期やお金の判断は、会社の規則や公式の案内でも確かめてください。
あなたの「辞めたい」は、悔しいほうですか。見るのもいやなほうですか。
出典:
- 厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します(2025年10月24日公表。情報通信業と年次別の数字は別紙3。2026年10月3日に確認)
- 厚生労働省job tagシステムエンジニア(受託開発)(2026年10月3日に確認)
- 厚生労働省 こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)