IT企業のホワイトの見分け方は、会社の名前より国のサイトの数字。SEを3年やった私が、残業と有給を自分で調べる手順を書いた
残業が続いて、しんどい。次こそホワイトなIT企業に入りたいのに、求人票はどこも「働きやすい」と書いてある。そこで手が止まった人へ。
IT企業のホワイトの見分け方で、私がいちばん確かだと考えているのは、会社ごとの残業と有給の数字を、国のサイトで自分で見ることです。会社の名前の順位は、この記事に出てきません。
比べる基準も国の統計から取ります。情報通信業の有給取得率は、平均で66.9%でした。
目次
【結論】IT企業のホワイトの見分け方は、会社ごとの数字を国のサイトで見る
「しょくばらぼ」で、この4項目を見る
厚生労働省の「職場情報総合サイト しょくばらぼ」は、会社の名前で検索すると、その会社の職場の数字が出てくるサイトです。
見るだけなら登録は要りません。載っているのは152,380件(2026年10月1日時点)。
私が見るのは4項目。名前はサイトの表記のまま写しました。
| 項目の名前 | 何が分かるか |
|---|---|
| 月平均所定外労働時間 | 前の年度の、正社員1人あたりの残業。課長級以上は入らない |
| 年次有給休暇取得率(全体) | 取った日数 ÷ 与えられた日数 |
| 正社員の有給休暇取得日数 | 前の年度に1人が取った日数 |
| 新卒者等以外(35歳未満)の採用・定着状況 | 直近3年度に入った人数と、辞めた人数 |
4行目は、新卒ではない若手がどれだけ残っているかの数字です。転職する側には、新卒の定着よりこちらが近い。
同じ厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」にも、「平均残業時間」と「年次有給休暇取得率」の項目があります。
求人票に「固定残業 ◯ 時間分」とある会社は、「固定残業代(みなし残業)の見方」も一緒にどうぞ。
比べる基準は、業界の平均と国の認定
数字だけでは、多いのか少ないのか分かりません。基準を2つ置きます。
1つめは業界の平均。厚生労働省の就労条件総合調査(令和7年)では、情報通信業の有給は、与えられたのが18.9日、取ったのが12.7日。取得率は66.9%でした。
残業の平均は「SEの残業時間の平均」に書いています。
2つめは「ユースエール認定」の基準です。常時雇用する人が300人以下の会社が対象の、国の認定。
- 正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下
- 有給の取得率が平均70%以上、または取得日数が平均10日以上
- 直近3年度に新卒などで入った正社員の離職率が20%以下
条件はほかにもあります。名前を知らないIT企業でも、認定のマークがあれば、上の線を満たすと国が認めた会社です。
載っていない会社と、数字の弱いところ
気になる会社が出てこないこともあります。しょくばらぼは、「職場情報開示に積極的な企業」を紹介するサイトだと名乗っています。載っていない会社が悪い、とは読めません。
そのときは、会社の新卒採用のページを開きます。若者雇用促進法で、新卒を募集する会社は、応募者などに求められたら「青少年雇用情報」を出す決まりだからです。
前の年度の月平均所定外労働時間や、有給休暇の平均取得日数がその項目に入っています。
国の指針は、ホームページなどで出しておくのが望ましい、としています。ただ、これは新卒の募集の決まり。中途の求人に応募する人は、面接で聞くことになります。
載っている数字にも、弱いところがあります。
- 会社が自分で出した数字。サイトの規約は、正確さを保証しないと断っています
- 会社全体の平均。事業所だけの数字は載せられない仕組みです。配属先や客先による差は見えない、と私は読みました
- 入っていない人がいる。月平均所定外労働時間は、課長級以上を除いた数字です
- いつの数字か。会社ごとのページの右上に「最終更新日」が出ます
年収の表に出てこないものが、移ってから効く
社内SEの経験は、私にはありません。書けるのは、SEからコンサルに移った話です。
私は大手の会社でSEを3年やり、コンサルに移りました。理由はお金です。この先の生活を考えるとお金が要る。働き方がハードそうで不安でしたが、それで決めました。
ホワイトなIT企業からコンサルに移ると、ギャップはかなり大きく感じます。ホワイトな会社は福利厚生があり、残業に厳しく、有給も多くて休みやすい。
コンサルは、ひとつの会社に長くいるという考えが薄いように感じます。有給が少なかったり、部署によっては休みづらかったり。福利厚生は会社によりますが、薄いところが多いです。
どれも、年収の表には出てこない項目でした。今の私なら、年収の横に上の4項目を書き足してから比べます。
求人を見る場所を1つ決めたい人へ
調べる会社がまだ決まっていない人は、先に求人を見る場所が要ります。その1つが、社内SEに特化した「社内SE転職ナビ」。ここは広告です。
このブログが紹介して報酬を受け取る条件では、ITエンジニアの経験があり、44歳までの人が対象。未経験の人と45歳以上の人は対象外なので、この広告はすすめません。
私はこのサービスを使っていません。公式のFAQで今日読めたことだけ書きます。
- 登録から入社が決まるまで、求職者は無料
- 面談はWebや電話でも受けられる。開始は平日10:00〜20:30、土曜10:00〜19:00
- 利用の期限は無い。応募するのは、本人にその気がある求人だけ
- 登録した内容によっては、求人の紹介に進めない場合がある
面談が何分かかるかは、公式では読み取れませんでした。当日の中身は「転職エージェントの面談で聞かれること」に。
対象外の人には、ハローワークの求人から入る道があります。ハローワークインターネットサービスの求人のページには、しょくばらぼを開くボタンが付いています。
応募の前の10分で、数字を2つ拾う
- 気になる会社を1社、しょくばらぼで検索する。月平均所定外労働時間と年次有給休暇取得率をメモ
- 20時間と66.9%の横に置く
- 載っていない項目は、面接で聞くメモに回す。「配属先の残業は、会社の平均と比べてどうですか」
中小・未経験・大手SIer。関連して検索される質問
中小のIT企業でも、ホワイトな会社は見つかる?
手がかりはあります。ユースエール認定は、中小企業だけが対象です。認定された会社は、厚生労働省の「若者雇用促進総合サイト」で検索できます。IT企業が何社あるかは、数えていません。
未経験でも、同じ見分け方は使える?
使えます。新卒や既卒が対象の募集なら、青少年雇用情報を会社に求める道もあります。求めたことを理由に不利に扱わないことも、国の指針に書いてあります。
大手SIerなら、ホワイトと考えていい?
大きさだけでは決められません。就労条件総合調査では、1,000人以上の会社の有給取得率は69.0%。全体の66.9%より少し高い程度でした。配属先のことは、面接で聞くしかないです。
私ならこうする
私なら、気になる会社を3社だけ選び、しょくばらぼで4項目を横に並べます。
ただ、数字のいい会社に移れば片づく、とは書けません。私はSEを3年で辞めてコンサルに移りましたが、移った先でも結局SEの仕事をしていて、今も仕事ができないままです。
時間のしんどさは、会社を変えると動くことがあります。仕事ができないしんどさは、場所を変えても残ることがある。私は今もそっち側にいて、同じ側からこれを書いています。
転職は生活に関わる判断なので、会社の説明や公的な窓口でも確かめてください。
あなたが次の会社でいちばん減らしたいのは、残業ですか。それとも、休めない空気ですか。
出典(すべて2026年10月9日に確認):
- 厚生労働省 職場情報総合サイト しょくばらぼ(トップページの掲載企業数)
- しょくばらぼ 用語説明(項目の名前と、何を数えた数字か)
- しょくばらぼFAQ(登録が要らないこと、最終更新日、法人単位の掲載)
- しょくばらぼ 職場情報総合サイトの利用について(7. 免責について)
- しょくばらぼ 学生・求職者の方向け利用方法(ハローワークインターネットサービスとの連携)
- 女性の活躍推進企業データベース データを見る時のポイント
- 厚生労働省 若者雇用促進法のあらまし(若者向け)(青少年雇用情報の提供、事業主等指針、ユースエール認定の基準)
- 厚生労働省 令和7(2025)年就労条件総合調査の概況(第5表 労働者1人平均年次有給休暇の取得状況)
- 社内SE転職ナビFAQ