ITパスポートの難易度は上がった?知識ゼロでSEになった私が、IPAの統計で7年分の合格率を並べた。下がったのは社会人のほう
ITに強くなれば、今の仕事から動けるかもしれない。そう思ってITパスポートを調べたら、「簡単」と「難しくなった」が両方出てくる。どっちなんだ、となりますよね。
ITパスポートの難易度を、試験をやっているIPAは数字で出していません。出しているのは合格率で、令和2年度の58.8%から令和7年度は48.6%まで下がっています。
年度ごとに並べてみたら、下がったのは社会人のほうでした。学生はほぼ横ばいです。
目次
【結論】難易度の数字は無い。あるのは合格率の推移
7年分を、社会人と学生に分けて並べた
iパスのサイトにあるIPAの統計資料から、年度ごとの合格率を拾いました(2026年10月6日に確認)。
| 年度 | 全体 | 社会人/学生 |
|---|---|---|
| 令和元 | 54.3% | 62.8%/41.4% |
| 令和2 | 58.8% | 64.6%/47.9% |
| 令和3 | 52.7% | 57.3%/41.2% |
| 令和4 | 51.6% | 55.0%/40.0% |
| 令和5 | 50.3% | 53.0%/40.2% |
| 令和6 | 49.1% | 51.6%/40.1% |
| 令和7 | 48.6% | 50.9%/41.0% |
| 令和8(4〜8月) | 49.3% | 52.7%/38.8% |
全体の列は「推移表」の数字です。社会人は「従業員数別」、学生は「在学中の学校等」という一覧表の合計を、年度末の統計資料から私が拾いました。2つの合格者数を足すと、どの年度も全体と一致しています。
下がったのは社会人。学生は40%前後のまま
令和2年度と令和7年度を比べると、社会人は64.6%から50.9%へ、13.7ポイント下がりました。学生は令和2年度だけ47.9%と高く、ほかの年は40〜41%のままです。
受ける人は増えています。受験者数は令和元年度が103,812人、令和7年度が271,352人。約2.6倍です。
受ける人の幅が広がったぶん、社会人の合格率が下がった。私はそう読みました。公式に理由が説明されているわけではないです。
「難しくなった」と言われる改訂は、2022年と2024年
IPAは2021年10月8日に、高校の必修科目「情報Ⅰ」に合わせた見直しを公表しています。
プログラミング的思考力を問う擬似言語を用いた出題を追加します。
適用は2022年4月の試験から。試験時間、出題数、採点方式、合格基準は変えない、とも書いてあります。
次が2023年8月7日の公表で、シラバスに生成AIの仕組み・活用例・留意事項の項目と用語例が加わりました。適用は2024年4月の試験からです。
今のシラバスはVer.6.5で、改訂履歴ではVer.6.0からどの回にも「用語例の追加」が入っています。覚える言葉は増え続けています。
でも、改訂の年に合格率が急に落ちたわけではない
擬似言語が入った令和4年度は、前の年から1.1ポイントの低下。生成AIが入った令和6年度は1.2ポイントです。
いちばん大きく動いたのは令和3年度で、6.1ポイント下がりました。この年、受験者は131,788人から211,145人に増えています。
範囲は確かに広がった。でも改訂の年の1ポイントより、受験者が8万人増えた年の6ポイントのほうが大きい。合格率を動かしたのは、受ける人の変化のほうだと私は読みました。問題そのものの難しさは、IPAが数字を出していないので、私には比べられません。
レベルの位置づけも、数字では書いていない
ITパスポートは、よく「レベル1」と紹介されます。試験要綱(Ver.5.6)の定義では、レベル1は「最低限の基礎的知識を有し,要求された作業について,指導を受けて遂行できる」段階です。
ところが、今日読んだ要綱のITパスポートの項には、レベルの行がありませんでした。基本情報のシラバスは題に「(レベル2)」と付くのに、ITパスポートの題には何も付いていません。「IT資格のロードマップ」にも書いた点で、今日も同じでした。
範囲が広い試験のしんどさは、少し分かる
この試験を受けた体験は、私には書けません。書けるのは、知識ゼロで広い範囲を勉強するとどうなるか、のほうです。
私は文系で、ITの知識がないまま大手の会社にSEとして入りました。Javaから始まったのに、Gitが出てくる。HTMLとCSS、データベース、Spring Frameworkも要る。勉強することがたくさんあり、つまずく場所が多くて、しんどかったです。
ITパスポートも、経営、ITの管理、技術の3つの分野にまたがります。深さより、広さがこたえる試験だと思います。
合格基準は、1,000点満点の総合で600点以上、しかも3つの分野それぞれで300点以上です。苦手な分野を丸ごと捨てるのは通りません。でも、満点も要らない。
当時の自分に言いたいのは、考えすぎるな、です。今の私なら、全部を同じ重さで覚えようとはしません。
独学で足りる人、講座が合う人、急がなくていい人
独学で足りるのは、こんな人です。
- iパスのサイトの過去問を、解説を調べながら自分で進められる人
- 仕事や学校で、ITや経営の言葉にもう触れている人
- 本を1冊、最後まで読み切った経験がある人
当てはまるなら、かかるのは受験料の7,500円(税込)と本代くらいです。時間の見積もりは「ITパスポートの勉強時間」に書きました。
講座が合うのは、3つの分野のどこから始めるか決められない人。動画で順番に教わるほうが続く人です。
アガルートのITパスポート試験の講座は、公式サイトで「合格カリキュラム」が14,080円(税込)でした。販売期間は2026年10月12日までと表示されていました(10月6日に確認)。そのあとどうなるかは載っていません。私はこの講座を受講していないので、中身の良し悪しは言えないです。
広告:
急がなくていい人もいます。もうITの現場で働いていて、次もITの中で動く人です。その話は「IT資格は意味ない?」に回します。
申し込む前に。日程と、確認2つ
受けられるのは12月27日まで
2026年8月3日更新の案内では、ITパスポートは2026年12月28日以降、休止の予定です。会場によっては27日より前に休止になることもある、と書いてあります。年明けのことは「2026年秋頃にウェブページでお知らせ」。今日、試験情報の新着を見たかぎり、その案内はまだ出ていません。
2027年度の春頃からは、出題分野を整理し直す予定です。検討中の内容で、難しくなるかどうかは書かれていません。日程の全体は「基本情報は12月28日以降お休みの予定」にあります。
今日できる確認は、この2つ
- iパスのサイトで過去問を10問だけ解く。3つの分野のうち、どこで手が止まるかを見る
- 受けたい会場の空きをiパスのサイトで見る。12月の最後の週は当てにしない
ITパスポートの難易度で、よく出る質問
ITパスポートの合格率は、なぜ低い?
令和7年度は48.6%でした。公式の資料から言えるのは2つ。3つの分野それぞれに300点の基準があること。学生の合格率が41.0%で、全体を下げていることです。
昔より難しくなった?
難易度の数字は公表されていません。出題範囲に擬似言語や生成AIが加わったのは事実です。合格率は令和2年度の58.8%から10ポイントほど下がりましたが、同じ間に受験者は約2倍になっています。
合格率は、月によって違う?
違います。令和7年度は5月が53.1%でいちばん高く、3月が44.3%でいちばん低い結果でした。理由は資料に書かれていません。
私ならこうする
私が今から受けるなら、難しいかどうかを調べるのは10分でやめて、過去問を10問解きます。合格率は受けた人全体の結果で、自分にとって難しいかは解いてみないと分かりません。
手が止まった分野が1つなら、本でそこだけ厚くやる。3つとも止まったら、順番に教わる方法を考えます。
試験の日程や基準は変わることがあるので、申し込む前にIPAのページで確かめてください。
10問解いたら、あなたはどの分野で止まりそうですか。
出典(すべて2026年10月6日に確認):
- IPA iパス 統計情報(令和8年8月時点。推移表、試験結果のPDF、令和元年度〜令和7年度の各年度末の統計資料「従業員数別一覧表」「在学中の学校等一覧表」)
- IPA iパス 試験内容・出題範囲(合格基準)
- IPA iパス 受験要領(受験手数料)
- IPA試験情報(新着情報)
- IPA試験要綱・シラバスについて(試験要綱Ver.5.6のレベルの定義とITパスポート試験の項、ITパスポート試験シラバスVer.6.5の改訂履歴)
- IPA ITパスポート試験における出題範囲・シラバスの一部改訂について(高等学校情報科「情報Ⅰ」への対応など)(2021年10月8日公開)
- IPA ITパスポート試験におけるシラバスの一部改訂について(生成AIに関する項目・用語例の追加など)(2023年8月7日公開)
- IPA ITパスポート試験・情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験の2026年5月以降の試験実施について(2026年8月3日更新)
- IPA情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について(2026年3月31日公開、4月28日更新)
- アガルートITパスポート試験講座(料金と販売期間)