基本情報とITパスポートの違いは?知識ゼロでSEになった私が、IPAの資料で「どっちから受けるか」を分けてみた
ITパスポートは簡単すぎて意味がない。基本情報はいきなりだと難しい。調べるほど、どっちにも手が出なくなる。そんな人に向けて書きます。
2つの違いは、難しさより前に「だれ向けか」です。使う人向けがITパスポート、何かを作る人向けが基本情報。
中身でいちばん違うのは、基本情報だけにある「科目B」でした。20問のうち16問が、アルゴリズムとプログラミングです。
目次
【結論】違いは「使う人」向けか「作る人」向けか
IPAの書き方を、そのまま並べる
試験をやっているIPAは、それぞれの試験に「対象者像」を書いています。まずITパスポート。
職業人及びこれから職業人となる者が備えておくべき、ITに関する共通的な基礎知識をもち、ITに携わる業務に就くか、担当業務に対してITを活用していこうとする者
もう片方の基本情報は、こうです。
ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者
「活用していこうとする者」と「作る人材」。難しさの順番で並べる前に、ここで分かれています。
試験の形を表にした
各試験のページと試験要綱(Ver.5.6)から拾いました(2026年10月8日に確認)。
| ITパスポート | 基本情報 | |
|---|---|---|
| 時間と問題数 | 120分で100問 | 科目Aは90分で60問、科目Bは100分で20問 |
| 合格の基準 | 総合600点以上、3分野それぞれ300点以上 | 科目AとB、それぞれ600点以上 |
| 令和7年度の合格率 | 48.6% | 38.3% |
| 受験料(税込) | 7,500円 | 7,500円 |
点数はどちらも1,000点満点です。受験料は同じでした。
合格率は10ポイントほど違います。ただ、受けている人が違うので、そのまま難しさの差とは読めません。難易度の数字は、IPAも出していないです。
いちばんの違いは、基本情報の科目B
受かるには、科目Aと科目Bの両方で600点以上が要ります。片方だけ良くてもだめです。
その科目Bについて、試験要綱にこう書いてあります。
分野別の出題数は,アルゴリズムとプログラミング分野16問,情報セキュリティ分野4問とする。
20問のうち16問。8割が、プログラムを読んで考える問題です。特定の言語ではなく、擬似言語という試験用の書き方で出ます。
擬似言語の問題は、2022年4月からITパスポートにも入りました。でも100問のうちの一部です。基本情報のほうは、それだけで1科目ぶんある。ここがいちばんの差だと私は読みました。
ITパスポートに受かっても、基本情報の免除は見当たらない
「先にITパスポートを取れば、基本情報が楽になる?」と考える人もいると思います。
基本情報には、科目Aが免除になる制度があります。ただ、ページに書いてある道は1つで、IPAが認定した講座を受けて、修了試験に受かることです。ITパスポートの合格で免除になる、という記載は見当たりませんでした。
知識が積み上がるという意味では、無駄にはなりません。でも、試験の上での近道ではないです。
「自らプログラムを作成できる」で、手が止まった
この記事は合格体験記ではないです。書けるのは、基本情報のページを読んで、私が引っかかった1行のことです。
基本情報の「期待する技術水準」の最後に、こうあります。
上位者の方針を理解し、自らプログラムを作成できる。
私は文系で、ITの知識がないまま大手の会社にSEとして入りました。3年やって、コードはなんとなく読めるようになった。でも自分では書けない。一人ではどうにもできない。それが、辞めると決めたきっかけです。
つまり、3年かけても私が届かなかった所が、基本情報では「基本」として書いてあります。読んで、少しこたえました。
ただ、今は別の見方もしています。科目Bは、私がつまずいた「読んで、追って、考える」をまっすぐ練習させる試験です。
現場の大きなソースコードで迷子になる前に、試験の1問ぶんの小さなプログラムで練習できる。当時の私には、そっちが先だったかもしれません。
受かるかどうかは別の話です。そこは私には言えません。
どっちから受けるか、3つに分ける
公式のページを読んだかぎりで、分けてみます。順番の決まりはなく、ITパスポートを飛ばして基本情報を受けてもかまいません。
先にITパスポートでいいのは、こんな人です。
- 事務や営業など、ITを使う側の仕事をしている人
- ITの言葉にほとんど触れたことがない人。学生で、就職の前に1つ持っておきたい人
- プログラムを書く仕事に就くかどうか、まだ決めていない人
範囲の広さと合格率の動きは「ITパスポートの難易度」に7年分を並べました。
基本情報からでいいのは、SEやプログラマーとして働いている人、なると決めている人です。IPA自身がこう書いています。
ITエンジニアとしてキャリアをスタートするには、まず基本情報技術者試験から受験することをお勧めします。
かかる時間の見積もりは「基本情報技術者試験の勉強時間」に書いています。
どっちも急がなくていい人もいます。現場で何年かやっていて、次も同じITの中で動く人。仕事の実績で話ができるなら、入門の資格は後回しでいいと私は考えています。
会社に資格手当があるなら話は別なので、そこだけ「資格手当の相場」で確かめてください。
年内に受けるなら、12月27日まで
どちらも2026年12月28日以降は休止の予定です。会場によっては、それより前に終わることもあるとIPAは書いています。
年明けにいつ再開するかは「2026年秋頃にお知らせ」のまま。今日(10月8日)IPAの新着を見たかぎり、その案内はまだ出ていません。
2027年度の春頃からは、試験の制度が変わる予定です。公表されている内容(検討中)では、こうです。
- ITパスポート:出題の分野を「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に整理し直す
- 基本情報:表記の変更などで、問う知識・技能の範囲そのものは変わらない
制度の全体は「IT資格のロードマップ」にまとめてあります。
決める前に、10分でできること
- IPAの公開問題のページで、基本情報の科目Bを1問だけ開く。解けなくていいです。読む気になるかどうかを見る
- 上の「対象者像」を2つ読み比べて、今の自分に近いほうに丸をつける
- 会社に資格手当の規程があれば、2つの試験の金額を見る
2つの違いで、出てきそうな質問
基本情報とITパスポート、難しいのはどっち?
合格率だけなら、令和7年度はITパスポートが48.6%、基本情報が38.3%です。基本情報は2科目とも600点以上が要り、科目Bの8割がアルゴリズムとプログラミング。プログラムに触れたことがない人には、基本情報のほうが重いはずです。
ITパスポートを飛ばして、基本情報から受けてもいい?
いいです。試験区分の一覧に、下の試験に受かっていないと受けられない、という記載は見当たりません。ITエンジニアには、IPA自身が基本情報からの受験をすすめています。
ITパスポートに合格すると、基本情報の科目Aは免除になる?
免除制度のページに、その記載はありませんでした。科目Aの免除は、IPAが認定した講座を受けて、修了試験に受かった人が対象です。
私ならこうする
私がSEの1年目に戻るなら、どっちが簡単かは調べません。基本情報の科目Bを1問開きます。
読んで「時間をかければ追えそう」と思えたら、そのまま基本情報へ。画面を閉じたくなったら、ITパスポートで言葉に慣れてから戻ります。遠回りに見えても、そっちのほうが続きます。
本を買うのは、受けるほうを決めたあとで間に合います。基本情報に決めた人だけ、下からどうぞ。
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日程や基準は変わることがあるので、申し込む前にIPAのページで確かめてください。
あなたの仕事は、ITを使う側ですか。それとも、作る側ですか。
出典(すべて2026年10月8日に確認):
- IPA ITパスポート試験(対象者像、試験時間・出題数)
- IPA基本情報技術者試験(対象者像、期待する技術水準、試験時間・出題数)
- IPA試験要綱・シラバスについて(試験要綱Ver.5.6の配点・基準点、科目Bの分野別の出題数)
- IPA iパス 統計情報(ITパスポートの令和7年度の合格率。10月6日に確認)
- IPA統計情報(基本情報技術者試験)(2026年9月28日更新。令和7年度の合格率。10月4日に確認)
- IPA iパス 受験要領(ITパスポートの受験手数料)
- IPAスケジュール、手数料など(基本情報の受験手数料)
- IPA基本情報技術者試験(FE)の科目A免除
- IPA公開問題(情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験)
- IPA ITパスポート試験における出題範囲・シラバスの一部改訂について(擬似言語の出題の追加)
- IPA ITパスポート試験・情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験の2026年5月以降の試験実施について(12月28日以降の休止)
- IPA情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について(2027年度からの予定)