IT資格のロードマップは2027年度に変わる予定。文系・知識ゼロでSEになった私が、IPAの一覧とレベルを「正直に」読んで整理した
ITの仕事に移りたい。あるいは、今のSEの仕事がしんどくて、何か1つでも自信になるものがほしい。それで「IT資格 ロードマップ」と検索すると、資格の名前がピラミッドの形にずらっと並んだ図が出てきます。
で、どこから登ればいいのか、結局分からない。
先に、調べて分かったことを書きます。国のIT資格(IPAの試験)は、2027年度から新しい制度に変わる予定です。上のほうにある応用情報と高度試験は、形が変わります。 なので、古い図をそのまま信じて3年計画を立てるのは、ちょっと待ったほうがいいです。
目次
まず、私のこと
私は文系で、ITの知識がないまま大手の会社にSEとして入りました。Javaから始めたのに、それだけでは済みません。Git、データベース、Spring Framework。勉強しなければいけないものが次々に出てきて、しんどかったです。
なので、「どれから手をつければいいのか教えてほしい」という気持ちは、分かるつもりです。
ひとつ断っておくと、この記事は「私はこの順番で取りました」という体験記ではありません。公式の資料を今日読んで、整理したものです。そこは正直に書いておきます。
今の制度の一覧とレベル【結論】
IPAの試験は、今は13区分
IPAの試験区分一覧と試験要綱(Ver.5.6)から、今の制度を表にしました(2026年10月2日に確認)。
| 試験 | だれ向けか(IPAの一覧の言い方) | 要綱のレベル |
|---|---|---|
| ITパスポート | すべての社会人。共通的知識 | 記載なし |
| 情報セキュリティマネジメント | ITの安全な利活用を推進する者 | レベル2 |
| 基本情報技術者 | 情報処理技術者。基本的知識・技能 | レベル2 |
| 応用情報技術者 | 情報処理技術者。応用的知識・技能 | レベル3 |
| 高度試験(8区分)と情報処理安全確保支援士 | 高度な知識・技能 | レベル4の前提要件 |
高度試験は8区分あります。
- ITストラテジスト
- システムアーキテクト
- プロジェクトマネージャ
- ネットワークスペシャリスト
- データベーススペシャリスト
- エンベデッドシステムスペシャリスト
- ITサービスマネージャ
- システム監査技術者
「レベル」は、難易度の点数ではない
検索では「難易度」と言われますが、要綱の定義を読むと、レベルは「どこまで一人でできるか」の段階でした。
- レベル1:最低限の基礎知識があり、指導を受けて作業ができる
- レベル2:基本的な知識があり、作業の一部を独力でできる
- レベル3:応用的な知識があり、求められた作業を全部独力でできる
- レベル4:高度な知識があり、プロとして作業の指示や後進の育成ができる
ちょっと刺さりました。私はSEを3年やって、なんとなく読めるようにはなったけれど、一人ではどうにもできなかった。レベル3の「全部独力で」は、資格の勉強だけで届く場所ではないんだろうな、と思います。
ITパスポートの「レベル1」は、要綱の表には見当たらなかった
ITパスポートは「レベル1」と紹介されることが多いです。ただ、今日読んだ試験要綱では、ITパスポートの欄にレベルの行がありませんでした。ほかの試験にはあります。
私の読み落としかもしれません。なので、上の表では「記載なし」としました。入口の試験という位置づけは、一覧の「すべての社会人」という言い方から読み取れます。
2027年度から、ロードマップの形が変わる
応用情報と高度試験は、3つの試験にまとめ直される
IPAは2026年3月31日に、試験制度の見直しの検討状況を公表しています。それによると、2027年度から8区分になる予定です。
- ITパスポート(内容を変更)
- データマネジメント試験(仮称・新設)。ITパスポートの次のステップ、という位置づけ
- 情報セキュリティマネジメント(継続)
- 基本情報技術者(継続)
- プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称・新設)。マネジメント、データ・AI、システムの3つ
- 情報処理安全確保支援士(一部変更)
今の応用情報技術者試験と高度試験は、大きくまとめたうえで、プロフェッショナルデジタルスキル試験の3区分に組み直す、と書かれていました。
つまり、「基本情報 → 応用情報 → 高度」という今の階段の上2段は、2027年度から別の形になります。
始まる時期と、今の制度が終わる時期
- 2027年度の春頃:ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報
- 2027年度の夏頃から秋頃:データマネジメント試験、プロフェッショナルデジタルスキル試験、支援士試験
- 今の制度:2026年度の試験実施をもって終了する予定
基本情報と情報セキュリティマネジメントは、問う知識の範囲そのものは変わらない、と注釈にありました。少し安心です。
まだ決まっていないことも多い
公表資料には「現時点での検討状況で、今後変わる場合がある」という断り書きがあります。新しい試験の実施時期の詳細は検討中。名前も仮称です。まだ動きます。
今の応用情報や高度試験に受かった人の扱いは、どうなるのか。ここは気になりますよね。公表資料には、今の合格の情報も新しい仕組みに登録して活用できるようにする、とあります。科目の免除は、一定期間の経過措置を「検討している」という書き方でした。確定ではありません。
じゃあ、どの順番で考えるか
資格の名前から決めるより、行き先から決めるほうが迷わないと思います。ここは私の考えです。
- IT以外の職場で、ITの話が分かる人になりたい:ITパスポートまで。その先は、2027年度のデータマネジメント試験の中身が出てから考える
- 未経験からITの仕事に入りたい:ITパスポート、次に基本情報。ここは新しい制度でも続く試験です
- 今SEで、応用情報を受けるか迷っている:今の制度で受けられるのは2026年度の試験まで、という予定です。受けるなら今年度の日程を先に確かめる。待つなら、新しい試験の資料が出そろってからで遅くないです
応用情報の前期の申込は10月6日から11月7日まで、後期は2027年1月27日から2月16日までです。基本情報は2026年12月28日以降、試験の休止が予定されています。日程は「基本情報は12月28日以降お休みの予定」にまとめました。
ロードマップがいらない人
- 行きたい会社の求人票に、資格の名前が書かれていない人。その会社は、資格より経験を見ているのかもしれません
- すでに現場の経験があって、転職で見せたいものが別にある人
- 資格を取ること自体が目的になりかけている人
資格の使いどころは「IT資格は意味ない?」に書きました。先にそちらを読んでから戻ってきても大丈夫です。
今日からできること
- 「次にどこへ行きたいか」を1行で書いて、上の3つのどれに近いか選ぶ
- IPAの「試験制度の見直しについて」のページを開いて、自分が受けたい試験が2027年度にどうなるかを見る
- 今年度に受けるなら、申込の開始日をカレンダーに入れる
IT資格の順番について、よく聞かれる質問
IT資格は何から取ればいい?
ITが初めてなら、ITパスポートからが入りやすいと思います。公式の一覧でも、すべての社会人に向けた試験とされています。ITの仕事に就くつもりなら、その次が基本情報です。
応用情報技術者試験はなくなるの?
IPAの公表資料では、今の応用情報と高度試験は、2027年度からプロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)に組み直す予定とされています。今の制度での実施は2026年度までの予定です。検討状況なので、変わることがあります。
今から基本情報の勉強を始めても無駄にならない?
基本情報は新しい制度でも続く試験で、問う知識の範囲そのものは変わらないと書かれています。なので、勉強が無駄になる心配は小さいと思います。ただ12月28日以降は休止の予定なので、受ける日は早めに決めてください。
私ならこうする
私が今、ゼロから順番を決めるなら、まず行き先を1行で書きます。そのうえで、今年度のうちに受けられる試験を1つだけ決める。2つ目以降は、2027年度の資料が出そろってから考えます。3年分の階段を先に全部決めても、途中で階段のほうが変わるので。
SE 1年目の自分に言いたいのは、細かい1つと全体の両方を見る癖をつけること、です。資格の一覧は、全体を見るための地図としては悪くないと思います。
受ける前には、必ずIPAの最新の案内を確かめてください。
あなたが資格を取ったあと、行きたい場所はどこですか。
出典(すべて2026年10月2日に確認):
- IPA試験区分一覧(2026年7月8日更新)
- IPA試験要綱・シラバスについて(試験要綱Ver.5.6)
- IPA情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について(2026年3月31日公開、4月28日更新)
- IPA試験制度の見直しについて
- IPA新試験制度のシラバス案について(2026年9月30日更新)
- IPA令和8年度 応用情報技術者試験などの申込受付期間及び試験実施期間
- IPA通年試験:情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験(2026年9月18日更新)