SEとITコンサルの違いは?SEを3年やってコンサルに移った私が「正直、ここが違った」と思う3つ
作るのが苦手で、SEがしんどい。それならITコンサルはどうなんだろう、と調べ始めた人へ。
違いをひとことで言うと、SEは「作って動かす」まで、ITコンサルは「何を作るか決めて提案する」までです。使う道具からして違います。
3年のSEのあとコンサルに移った私が、公式の説明と、移ってみた実感を並べて書きます。
目次
公式の説明で比べると、こう違う【結論】
厚生労働省の職業情報サイトjob tagに、両方の仕事のページがあります。読み比べて表にしました(2026年10月3日に確認)。
| 比べるところ | SE(受託開発) | ITコンサルタント |
|---|---|---|
| 仕事 | 顧客のシステム開発を受託し、ソフトウェアを開発する | 顧客のIT戦略について提案、助言する |
| よく使う道具 | 開発環境、Javaなどの言語、データベース | Word、Excel、PowerPoint、生成AI |
| 平均年収 | 578.5万円 | 889万円 |
| 月の労働時間 | 159時間 | 173時間 |
年収と労働時間は、令和7年の賃金構造基本統計調査をもとにした数字です。job tag自身が「必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません」と書いているので、目安として見てください。
道具が違う。コードか、資料か
私がいちばん「違う」と思ったのは道具の欄です。開発環境とプログラミング言語が並ぶのがSEの欄。ITコンサルの欄は、文書・表計算・プレゼン資料のソフトです。
コードを見るのがつらかった私には、いちばん分かりやすい違いでした。
でも、仕事は地続きになっている
job tagには、ITコンサルの仕事のうち「具体的な課題の整理や分析はシステムエンジニアの仕事に近く」とあります。SEの側にも、顧客に話を聞いて何を作るか決める「要件定義」が入っています。
きれいに分かれた別の仕事、ではないんです。重なっています。上流のSEの作業と、下流のITコンサルの作業が同じあたりにある、と読むのが近いです。
給料は高い。労働時間も長い
年収の差は約310万円ありますが、そのかわり月の労働時間も14時間長いです。「担当した案件や仕事の成果によって給与の個人差が大きくなる場合もある」ともjob tagに書いてあります。
給料だけ見て決めると、ここで驚きます。
私がSEに向いていないと思ったところ
私は文系で、ITの知識ゼロで大手の会社にSEとして入りました。
3年やって、コードはなんとなく読めるようになった。でも自分では書けない。一人ではどうにもできない。エラーやコードを見ると拒絶反応が出るようになって、辞めると決めました。
上の表でいうと、道具の欄がまるごと合わなかった、ということです。
詳しくは「文系SEはきつい?」に書きました。
移ってみて、正直ここが違った
求められるのは、能力と主体性
コンサルに移って大変だったのは、求められる能力が高いこと。周りの人の能力も高いです。
それ以上に効いたのが主体性でした。言われたことをこなすより、自分から動けるか。コンサルでは、これがかなり重要です。
SEの経験は、そのまま土台になった
ITのプロジェクトに入ったとき、エンジニアとしての勘所が役に立ちました。エンジニアの人たちの会話が少し分かる。業務や仕様の理解も早くなった。
job tagにも、ITコンサルには「ITシステムの構築や運用を長く経験した者」が就くことが多い、と書いてあります。公式の説明でも、SEから移るのは普通の道です。
私の転職活動も、あまり大変ではありませんでした。エンジニア経験のある人をコンサルの会社がすごく募集している、というのが私の実感です。
ただ、ここは数字で裏が取れていません。ハローワークの有効求人倍率(令和7年度)は、ITコンサルタントが0.88、SE(受託開発)が2.54。ハローワークの求人に限れば、SEのほうがずっと多いです。ハローワーク以外の求人がどうなのかは、私には分かりません。
「コンサル」の名前でも、中身がIT会社のことがある
これは入る前に知っておいてほしい違いです。
コンサルといっても実態は開発や運用がほとんどという会社があって、会社を選ばないと、ただの派遣会社のような働き方にもなりえます。作る仕事から離れたくて移ったのに、やることは前と同じ。これはきつい。
上流をやりたくて行くなら、ある程度名前が知られているところがいい。私はそう考えています。ほかのギャップは「コンサル転職で後悔しないために」にまとめました。
移らなくていい人
- 作るのが好きな人。ITコンサルの道具は資料です。コードから離れるのがさびしいなら、SEのまま会社を変えるほうが合います
- 給料だけが理由で、忙しさを考えていない人。私もお金が理由で移りましたが、ハードだという印象は持ったうえででした
- 指示を待つほうが気が楽な人
今日できること
- job tagの2つのページを開いて、「よく使う道具」の欄だけ読み比べる。5分で終わります
- 今の仕事で、要件定義や顧客との打ち合わせに関わった経験を1つ書き出す。SEとITコンサルが重なる部分です
- 気になる会社があるなら、求人票の仕事内容に「開発」「運用」「保守」がどれくらい出てくるか数える
SEとITコンサルの違いで、よくある質問
SEからITコンサルに転職できる?
できます。私がそうでした。公式の説明でも、システムの構築や運用の経験者が就くことが多い仕事です。ただ、何年の経験が要るかは会社によります。私は3年でしたが、それが標準なのかは分かりません。
ITコンサルに資格は必要?
job tagのITコンサルタントのページでは、関連資格の欄が「関連する資格はありません」になっています。SEのページには基本情報技術者と応用情報技術者が載っています。資格の話は「IT資格は意味ない?」に書きました。
SEとITコンサル、どっちがきつい?
きつさの種類が違います。私の場合、SEは「分からない・書けない」がきつかった。コンサルは「求められる水準が高い・自分から動き続ける」がきつい。どちらが楽かは、人によります。
私ならこうする
SEがしんどくてITコンサルが気になっているなら、私はまず表の「よく使う道具」の行だけ見ます。コードがつらいのか、資料と会議ならやれそうか。そこが決まれば、あとは会社選びの話です。
会社選びでは、仕事の中身が本当に提案や整理なのかを、面接で聞きます。名前がコンサルでも中身が違うことがあるからです。
転職を決めるときは、公式の情報や会社の説明でも確かめてください。
あなたがしんどいのは、コードですか。それとも、忙しさですか。
出典:
- 厚生労働省job tagシステムエンジニア(受託開発)(令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工。有効求人倍率は令和7年度。2026年10月3日に確認)
- 厚生労働省job tag ITコンサルタント(同上)