コンサルの年収はなぜ高い?SEからコンサルに移った私が、国の数字で「長く働くから」だけではないと確かめた
働いている時間はそんなに変わらないのに、コンサルの人は給料が高いらしい。自分の明細を見ると、ため息が出る。何がそんなに違うんだろう。
国の統計で並べると、ITコンサルタントの平均年収は889万円、SEは578.5万円でした。コンサルの年収が高いのは、長く働くからというより、1時間あたりの賃金がSEの約1.4倍あるからです。
では、なぜ1時間が高いのか。公式の資料で言えることと、SEからコンサルに移った私の実感と、私には分からないことを、混ぜずに書きます。
目次
- 【結論】コンサルの年収が高いのは、1時間あたりが高いから
- SEと並べると、年収は310万円ちがう
- 年齢でも、労働時間でも説明がつかない
- ただし、コンサルだけを集めた統計ではない
- なぜ1時間が高いのか。公式に書いてあるのは2つ
- 単価や利益率の話は、私には確かめられなかった
- 中に入った私の実感。高いぶん、求められる
- 求められる水準が、まず高い
- 評価は、プロジェクトに入ってから付く
- 派遣会社のような会社でも、水準は高い
- 給料だけで選ぶと、何が起きるか
- 移らなくていい人、向いていない人
- 求人を見る前に、10分でできること
- コンサルの年収について、聞かれそうなこと
- コンサルの平均年収はいくら?
- 20代のコンサルの年収は?
- 私ならこうする
【結論】コンサルの年収が高いのは、1時間あたりが高いから
SEと並べると、年収は310万円ちがう
厚生労働省の職業情報サイトjob tagで、2つの仕事のページを開きました(2026年10月6日に確認)。もとは令和7年の賃金構造基本統計調査です。
| 比べるところ | SE(受託開発) | ITコンサルタント |
|---|---|---|
| 平均年収 | 578.5万円 | 889万円 |
| 平均年齢 | 37.1歳 | 38.3歳 |
| 月の労働時間 | 159時間 | 173時間 |
| 1時間あたりの賃金 | 2,819円 | 4,026円 |
| 25〜29歳の年収 | 484.7万円 | 641.6万円 |
1時間あたりの賃金は、残業代と賞与を入れた金額です。25〜29歳の行は、同じページにある年齢別のグラフから読みました。
経営コンサルタントはさらに高くて、1,134.6万円。平均39.4歳、月162時間、1時間あたり5,497円です。
年齢でも、労働時間でも説明がつかない
平均年齢の差は1.2歳。25〜29歳どうしで比べても、約157万円ちがいます。年齢ではない。
労働時間は、ITコンサルのほうが月14時間長い。ただ、SEが同じ173時間働いたと置いても、増えるのは年50万円ほどです。賞与も時間に比例するとした、私の粗い計算ですが、310万円には届きません。
残るのが1時間あたりの差です。4,026円と2,819円。約1.4倍でした。
ただし、コンサルだけを集めた統計ではない
job tagには、こういう注記があります。
「統計データ」は、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません。
ITコンサルタントのページの就業者数は65万人あまり。SE(受託開発)の約39万人より多いんです。コンサルだけでこの人数とは考えにくいので、近い仕事をまとめた数字だと私は読みました。経営コンサルタントも「その他の経営・金融・保険の専門的職業」という広い分類です。
なので889万円は、移ればもらえる額ではないです。差の向きと大きさを見る目安にします。
なぜ1時間が高いのか。公式に書いてあるのは2つ
1つめは、経験を積んだ人が就く仕事だということ。job tagによると、ITコンサルタントには「ITシステムの構築や運用を長く経験した者」などが就くことが多い。私もSEを3年やってから移りました。
2つめは、成果で差がつく決め方です。経営コンサルタントのページは、はっきり書いています。固定給に実績給が加わる形が一般的で、「実力が反映されるため、賃金額に個人差が大きい」。ITコンサルタントのページにも、成果によって個人差が大きくなる場合がある、とあります。
平均が高い。でも、全員が高いわけではない。
単価や利益率の話は、私には確かめられなかった
検索すると、1人あたりの単価が高いから、利益率が高いから、という説明が並びます。筋は通っています。でも私は、会社の決算も契約の金額も見ていません。公的な統計にも、単価の表は見つけられませんでした。私には分かりません。
中に入った私の実感。高いぶん、求められる
私がコンサルに移った理由は、お金です。この先の生活を考えると必要になる。働き方も能力もハードだという印象があって、不安なまま決めました。
移ってみると、給料は比較的高い水準でした。金額は書きません。
ここからは統計ではなく、中から見た私の実感です。
求められる水準が、まず高い
求められる能力が高く、周りの人の能力も高いです。まず論理的に考える力。要領の良さも結構大事で、ハードワークができることも要ります。
もうひとつ、主体性。自分から動けるかどうかが、かなり重要です。
評価は、プロジェクトに入ってから付く
コンサルには、どのプロジェクトにも入っていない「アベイラブル」という待機の期間があります。私は半年ありました。その間は、評価が付きません。
高い給料は、プロジェクトに入ってお客さんに評価されることと組になっている。私はそう受け取りました。待機のあいだの話は「コンサルのアベイラブルとは?」に書いています。
派遣会社のような会社でも、水準は高い
コンサルは会社を選ばないと、人を客先に出すだけの、派遣会社のような形になりえます。そういう会社でも、給料の水準はやはり高いです。
なぜそうなるのか、仕組みまでは説明できません。見分け方は「コンサル転職で後悔しないために」にまとめました。
給料だけで選ぶと、何が起きるか
年収の表に載らないものが、減ります。
- 休み。有給が少なかったり、部署によっては休みづらかったりします
- 福利厚生。会社によりますが、薄いところが多い
- 時間。統計でも月14時間長く、ハードワークができることも求められます
休みと福利厚生は、ホワイトなIT企業から移ると特に差を感じます。
それから、平均に届くとは限りません。転職で給料が下がった人の割合は「転職で年収は上がる?」に載せました。
名前がコンサルでも、やることは開発や運用という会社もあります。仕事の中身の違いは「SEとITコンサルの違いは?」で表にしています。
移らなくていい人、向いていない人
- 休みやすさや福利厚生を、給料と同じくらい大事にしている人
- 指示を待つほうが気が楽な人。「コンサルに向いてない人は?」に分けて書きました
- 自分の年齢の行で比べたら、SEの中では低くなかった人。不満のもとは職種ではなく、会社かもしれません。年齢別の表は「SEの年収の平均」にあります
求人を見る前に、10分でできること
- job tagのITコンサルタントのページで「年齢別の年収グラフを見る」を押し、自分の年齢の棒を見る
- 去年の源泉徴収票の「支払金額」を、1年に働いた時間で割る。出た数字を2,819円、4,026円と並べる
- 給料と引きかえにしたくないものを1つ書く。休みか、福利厚生か、勤務地か
コンサルの年収について、聞かれそうなこと
コンサルの平均年収はいくら?
job tagでは、ITコンサルタントが889万円、経営コンサルタントが1,134.6万円です。その職業だけの統計ではない、という注記が付いています。
20代のコンサルの年収は?
ITコンサルタントの年齢別のグラフでは、20〜24歳が476.6万円、25〜29歳が641.6万円でした。SE(受託開発)は363.0万円と484.7万円。20代のうちから差があります。
私ならこうする
もう一度選ぶなら、年収の額だけで比べるのをやめます。1時間あたりの金額の横に、引きかえに減る休みと福利厚生を書き足す。それでも行きたいかどうか。私は、お金が要る事情があったので行きました。事情が違えば、答えも違います。
お金と生活に関わる判断なので、求人票の条件や会社の説明も自分の目で確かめてください。
まずはjob tagのグラフで、自分の年齢の棒を1本だけ見てみる。そこからです。
あなたが上げたいのは、年収の額ですか。それとも、1時間あたりの値段ですか。
出典(すべて2026年10月6日に確認):
- 厚生労働省job tag ITコンサルタント(令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工。年収・年齢・労働時間・1時間あたりの賃金・年齢別の年収グラフ。就業者数は令和2年国勢調査)
- 厚生労働省job tag経営コンサルタント(同上。「労働条件の特徴」の給料の説明)
- 厚生労働省job tagシステムエンジニア(受託開発)(同上)